心臓病について- CARDIOVASCULAR -

1) 心臓病とは
心臓病とは、心臓の構造や機能(働き)の異常により生じる病気の総称です。狭心症・心筋梗塞(虚血性心疾患)、不整脈、弁膜症、心不全などがあります。
心臓病の原因として高血圧症、脂質異常症、糖尿病、肥満などのいわゆる生活習慣病があります。生活習慣病は症状がないことが多いですが、進行すると心臓病や心不全の原因となるため、悪化を防ぐ予防や管理が大切です。
2) 虚血性心疾患とは
心臓を栄養する血管を冠動脈といいます。冠動脈の血流が悪くなる狭心症と、血流が途絶える心筋梗塞のことを虚血性心疾患といいます。多くの場合は生活習慣病を背景とした動脈硬化が原因となりますが、冠動脈が一時的に痙攣のように収縮を起こして縮んでします(攣縮)するタイプもあります。
< 症状 >
狭心症の典型的な症状は、運動した時の胸の締め付け感や息切れなどです。安静時にも胸痛を自覚したり、頻回に起きる場合は早めの検査が必要です。心筋梗塞の場合は左前胸部を中心に、圧迫される、締め付けられるといった症状を自覚し冷や汗を伴うこともあります。また、左肩や歯、あごに症状が広がることもあります。30分以上長めの胸痛が続く場合は速やかな病院受診が必要です。
< 治療 >
薬物治療やカテーテル治療、心臓手術など様々です。
3) 不整脈とは
不整脈は、脈の打ち方のリズムや回数に異常がでる病気です。心臓は刺激伝導系とよばれる電気の流れによって拍動が制御され、正常時には血液を一定のリズムで全身に送り出しています。不整脈はその電気の流れや発生の異常で生じます。不整脈の種類は複数あり、正常な脈と脈の間にリズムが速い脈がでる期外収縮や、脈が極端に遅くなる不整脈、極端に早くなる頻脈性不整脈があり、それぞれの中に幾つかの種類があります。
< 症状 >
脈が一拍だけ早くでるような期外収縮では脈がとぶ、一瞬だけドキッとする、胸が一瞬詰まる感じがする、などの症状がでることがあります。一方、脈が速くなる頻脈性不整脈では動悸(ドキドキする)、胸が苦しいなどの症状がでることがあります。脈が遅くなる徐脈性不整脈では、脳への血流が低下することによる失神(気を失う)、目の前が暗くなる、めまいといった症状が出ることがあります。
< 治療 >
期外収縮は問題がない不整脈であることがほとんどですが、心臓に異常がないか検査が必要な場合があります。症状で困る場合は病院で相談しましょう。治療が必要な場合は薬物療法からペースメーカ治療やカテーテルアブレーション術など様々です。
4) 弁膜症とは
全身に血液をしっかり送るため、心臓には逆流を防ぐ弁という構造があります。この弁に異常があって狭くなったり(狭窄)、逆流してしまう病気を心臓弁膜症といいます。
< 症状 >
症状は動いた時の息切れやなどですが、弁膜症が進行して心臓に負担がかかると心不全を発症することもあります。弁膜症では心雑音を聴取するため、早期発見には心臓の聴診が重要です。
< 治療 >
症状は薬物治療でも改善しますが、根本的な治療は心臓手術です。近年カテーテルでの治療も進歩しています。
5) 心不全とは
心不全とは、心臓が何らかの原因で異常が生じ、息切れやむくみ、倦怠感といった症状で日常生活に支障を来たし、悪化すると生命を縮めてしまう病気です。心臓の一番大事な役割は、全身に血液を送るポンプ機能です。心臓のポンプ機能が低下すると、全身に血液をうまく送れず、足のむくみや息切れ、疲れやすいなどの症状が出現します。虚血性心疾患、弁膜症、心筋症、不整脈など様々な心臓病が心不全の原因となります。
< 症状 >
心臓は全身に血液を送っているので、そのポンプ機能が低下すると全身に症状が出現します。動いた時の息切れ、むくみ、体重増加、食欲低下、だるさ、疲れやすさなど様々です。1週間で2kg以上の体重増加や、前かがみで息が苦しくなる、息苦しさのため夜横になって眠れない場合は、心不全が悪くなる徴候の可能性があるためはやめに病院を受診しましょう。
< 治療 >
薬物治療や薬物以外の治療(心臓病に対する治療、ペースメーカ治療や心臓を補助する機械での治療)、心臓移植など様々です。また、心臓リハビリテーションや心不全手帳などでの自己管理(血圧、体重測定など)も心不全悪化防止のため重要です。心不全があってもその人らしく生活できるよう様々な職種でサポートしていきます。
脳卒中・心臓病等に関するご相談
沖縄県内在住の脳卒中・心臓病に対してお困りごとやご相談がある方はお気軽にご相談ください。
ご相談内容によっては、返答にお時間を頂く場合がありますのでご了承ください。
治療方針に関しては、かかりつけ医か、当院セカンドオピニオン外来でご相談ください。
脳卒中・心臓病等に関するご相談例
- 脳卒中・心臓病等についての情報提供
- 在宅療養の相談や介護に関する相談
- 福祉サービス申請・利用手続きの相談
- 後遺症治療に関する相談
- 再発予防に関する生活習慣等の相談
- 職場復帰や社会参加に向けた相談